前回に引き続きケータリングに関しての内容です。

今回はアメリカで、寿司職人にとって需要のある、個人からの依頼のケータリングに関して書きたいと思います。
パーティー大好きアメリカ人
アメリカ人はパーティが大好きです。
老若男女、お金がある無しも関係無く頻繁にホームパーティをします。
私も日本ではパーティとは無縁の生活をしてましたが、アメリカに来てからは何かとお呼ばれしたり主催するようになりました。
そこで、プライベートパーティーに寿司職人を呼びたい人とはどういう人なのか?
はい、お金持ちです。
寿司職人に限らず、普通の家庭がパーティをする時にプライベートシェフは呼びません。
私も一度も呼んだことはありません。(自分で料理を作りたいというのはありますが)
料理をしないお金持ち
基本的にアメリカのお金持ちは料理をしません。(料理好きである場合を除いて)
お金持ちの中にはプライベートシェフを家に常駐させている人も多く裕福な人ほど自炊しません。
彼らは人を招いてホームパーティをすることは日常ですが、そこで寿司をやるというのは1つのステータスになっているんですね。
プライベートシェフでもさすがに本格的な寿司はできないので
ここぞのタイミングで寿司シェフが呼ばれることになります。
ちょっと自慢させてくださいね
これまで数々の有名人や大金持ちに呼ばれて寿司のケータリングに行ってきました。
- 誰もが知るサッカー界のスーパースター
- NBAのスーパースター
- 誰もが知る音楽界のスーパースター
- 世界的大企業の社長
中でもサッカー界のスーパースターは
私は大のサッカー小僧で彼を見て育ったので嬉しかったです。
ちなみにトップを極めてるみなさんは本当に人格者で気遣いも素晴らしいです。
そこまでのスーパーな人でなくても寿司のケータリングを依頼してくる人はたくさんいます。
料金体型はいかほどに?
ではどのような料金体系でやるんでしょうか?
ケースバイケースです。
相手のニーズを知るためのヒアリングはマストです。
いくつかの簡単な質問で概要は掴めてきます。
代表的な質問は次の通り。
- 予算のありなし
- パーティーの人数規模
- パーティーの雰囲気
予算があるのかないのか?
いくらチャージしてもいいからベストなものを用意してくれと言ってくる人も多いです。
ほとんどの場合にはこちらから提案します。
寿司シェフを家に呼んでの少人数(6〜10人)の場合には、しっかりとテーブルセッティングしていわゆるおまかせスタイルと呼ばれるコースディナーを希望する人が多いです。
その場合には1人$180〜$250くらいがだいたいの目安になると思います。
一般的にはそこにシェフフィーやケータリングフィーなどを上乗せする場合がほとんどです。
私の場合にはミニマムを$1000にしていてそこに達すればいいですよというスタンスでやっています。$250でコースを作ったら4人いれば大丈夫ですという感じです。
仮にどうしても2人でと言う人には$1000をチャージするといった感じです。
大人数の場合
また大人数でのパーティーなどの場合にはステーションを作ってビュッフェスタイルを提案します。
その場合には予算を聞いて、その中でメニューを作っていきます。
1番規模が大きかったものでは200人のパーティーで$16,000というものがありました。
サービススタッフも十分確保してもらい、熟練の職人4人でひたすら握ってました。
エリアにもよりますが個人でケータリングビジネスをやられる場合にはこのようなラインでやられている人が多いと思います。
カウンターでの直オファーが多い
私が雇われで働いていた時には、カウンターで目の前のお客様から
「家に来て寿司をやって」と言われることはたくさんありました。
しかしレストランを通すと倍くらいの価格帯になることが多いです、大きいレストランになるとイベントコーディネーターがいてそこを無駄に通さないといけなかったりします。
ヘッドシェフを呼ぶ場合には、営業保証などもからんできますので、こんなに取らなくてもいいのになと申し訳なく思っていたこともありました。
お客さんの立場なら小規模なレストランのシェフへ直談判がおすすめ
お客さんの立場で、ホームパーティに寿司シェフを呼びたい人は、ケータリングを専門にやっている人、もしくは大きなレストランではなく小規模なところのオーナーやシェフと仲良くなって頼んでみるといいと思います。
闇営業でひともうけは考えないほうがいい
寿司シェフの中にはレストランのお客様からの依頼を、店を通さずにやっている人も多いです。
魚を個人買いできる卸業者もありますし、やれないことはないです。
ただ店に内緒でこそこそやるのは気分は良く無いですし、支払いや税金関係でトラブルになる人もいます。
お客様にも安くできるし気持ちは分かりますが、定期的にやるようなら潔く独立した方が良いと思います。
シェフフィーやケータリングフィーは取るべきなのか?
私は今は取らないスタンスでやっています。(開業当初は取っていました)
その代わり今は、ミニマムのチャージを$1000に設定しています。
おまかせスタイルのケータリングの中ではかなり良心的な設定だと思っています。
その分、数をこなしたいという意図です。
当たり前ですが高かったら依頼は減ります。
エリアや需要、自分の意図を掛け合わせていい塩梅での値段設定が大事です。
しかし、レストラン外に出張して寿司を握っているので、一般的にはフィーはとるのが普通です。
コロナでいろんなフィーが増殖し。。。
コロナ以降、いろいろなフィーができたりサービスチャージやチップの額も増え消費者としてはうんざりするレストランも増えました。
消費者の目が厳しいからこそ取らないという方に張るのはチャンスです。
ベースの値段設定も含めてオーバーチャージには気をつけないといけません。
フィーを取る場合にもほどほどにしたほうがいいです。
本来、値段の構成の中に人件費というものは含まれているはずなので。
お金持ちだからボッタくってもバレない!?
寿司のケータリングをするようなお金持ちからはいくらとってもいいだろと思ってしまった人は考えを改めた方がいいですね。
仮にいくらでもチャージしてもいいよという人に対しても適正価格を提示します。
チップで払ってくれる分には受け取ります。
お金持ちほどクオリティを知っていますし、値付けにシビアな人が多いです。
払える払えないの問題では無く、価値をしっかりと見極めているんですね
(それは言ってくれません、こいつぼってるなと思われたら離れていくだけです)
エリアや曜日、時期によってケータリングフィーをとる
また私の場合はエリアや曜日、時期によってケータリングフィーをとることはあります。
片道2時間近くかかる場所だったり繁忙期の週末やNYE(大晦日)で依頼が多く来ることが予想される日などですね。
ケースバイケースです。
自分がこれは割に合わないなと思ってしまうと仕事のクオリティは下がってしまうかもしれませんし、かといってオーバーチャージにならない塩梅が大事です。
しかし、自分が適正価格を提示して説明しても相手が納得しない場合もあるので、その場合にはそのお客様とは合わないと割り切りフェードアウトした方がいいですね。
大事なのは
自分が誰に対しても誠実に商売をするというスタイルを保つこと
シェフフィーの値段は
シェフフィーの額に関しては、だいたい$500~$1,000くらいをチャージしている人が多いようですね。
ニューヨークの有名シェフだと$5,000をチャージしている人を何人も知っています。
そうなるとなかなか依頼は来ないと思いますが、それでも依頼が来るならそれはその人の価値が高いということです。
噂で聞いたレベルですがアメリカの某有名寿司シェフは売り上げ以外にシェフへ$100,000らしいです。
どの規模のケータリングなのかは不明ですが、これは夢があるなと。
あなたに来てほしいと思われる価値のある寿司職人になりたいですね。
最後に
2回に分けて寿司のオフサイト(レストラン外)でのイベントやケータリングについて書きました。
経験値を爆上げせよ
私は、レストラン外での仕事はできる限りやった方がいいと思っています。
安売りしないことが大前提ですが、数をこなすことにフォーカスした方がいいと思っています。
それはなぜか、経験値が爆上がりします。
シェフとしての底力が上がります。
日本の寿司学校に通っていたころ、Facebookなどでイベントを主催する人と繋がり、その集まりなどでお願いして寿司をやっていました。材料費だけ出してもらい無償でやっていました。
とにかく経験値が欲しかったんですね。
そのうちお金を取れる自信が身につきます。
身内ではなく知らない環境に挑むことが大事です。
そういうことをしだしてから視座が上がっていき同期とも差がついてきた実感がありました。
ケータリングは追い込まれます。
ケータリングの状況は毎回異なります。
大人数のゲストを、この限られたスペースと人員で捌かなければいけない状況でどんなメニューにするのか?
どんなプレップをしておくべきなのか?オペレーションは?よく考えないと失敗します。
店に来てくれるお客様はなんとなく店の色を理解して合わせてくれるものですが、プライベートシェフとして呼ばれた場合には相手の色をこっちが読まなければいけません。
相手の色に合わせてなんぼです。
美味しいものを出すことは大前提ですが、
どのような状況なのか?
家族でリラックスしたい空間なのか?
迎えているゲストがいてその人を喜ばせることを優先させたいのか?
自分のペースではなく相手のペースに合わせること。
自分の店では、お客様のわがままを聞かないことで整合性を保ったり、全体の風紀を保つことを考えなければいけません。
しかし、プライベートではそのお客様が唯一のゲストであり他者への整合性は必要ありません。
めいいっぱいわがままを聞いてあげられるシェフの方が愛されそうじゃないですか?
またお願いしたいと思ってくれそうじゃないですか?
頼まれてチャーハンを作ったこともありますし、誘われたら一緒に踊ったりもします。
ケータリングでは柔軟性が必要
臨機応変に不測の事態に対応しなければいけません。
ストレスに感じると思いますが、それを楽しめるマインドにもっていけたらその人のレベルは格段に上がると思います。
今回も短くできず長文になってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。