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私の起業までの経緯②

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私の起業までの経緯①の続編です。
前半を読まれていない方はこちらを先に読んでいただくのをお勧めします。

前回の記事では、起業に対する考え方をお話しました。


今回は私の起業までの実体験や寿司職人のスモールスタートの具体例を挙げて、
寿司職人がどのように起業した方がいいのかを深掘りしたいと思います。

なぜ1人で始めた方がいいのか?

結局、最後は1人だからです。
自分1人になっても続けられる覚悟が大事です。

最初から誰かに頼ろうというマインドの人は、その誰かに裏切られたら心が折れて諦めてしまう可能性が高いです。

ビジネスは欲と金が絡む世界なので信頼していた人に裏切られたという話しはよく聞きます

しかし、多くの人は心細さや不安から誰かとパートナーになり起業する方法を選びます。

異国の地で言葉に不安があるなら尚更です

自分は寿司しかやってこなかったから、
人脈があってフロント業務や財務に詳しい人とパートナーになろう。
そこでさらに言葉や法務に不安があるからそこをカバーしてくれるアメリカ人をパートナーにしよう。

この時点で3人です。

ちなみにパートナーと組む場合には3人はよくないです

最初は良くても、そのうちに取り分を多くするため2人が結託して1人を追い出すパターンをよく見聞きします。

この場合にはシェフであっても関係ないです。店ができてまわってさえいればシェフを追い出すことも可能です。

よほどワンマンで店を回していない限りはシェフもその対象になります。

年収5000万を稼ぐにはどうしたらいいですか?

私がまだ雇われのころ、「年収5000万を稼ぐにはどうしたらいいですか?」と何人もの飲食店の先輩経営者に聞いていました。

鼻で笑われてました。お前には無理だよと。

また真剣に聞いてくれる人でも、

アメリカでやるには次の2つの条件だねと言われてました。

  • 良いパートナーを見つける
  • 良い投資家を見つける

アメリカで寿司職人が独立する一般的なロールモデルの話をします

仮に2億円の売り上げのある店を作れて利益を20%出せたとします。

優秀な店です、利益は4000万円。

最初の3〜10年くらいは投資家に返済で、そのうちの50〜70%上納。
完済後でも10〜30%ほど上納し続けます。

仮に投資家に利益の20%上納したとして残りは3200万円

こちらをパートナーと分割したら、3人なら1000万円強、2人なら1600万円となります。
実際、会社には万が一の時のため蓄える必要があるので全ては分配されません。

それで年収5000万円を稼ぎたいなら少なくとも3店舗は必要だよね

という理屈を聞くことが多かったです。

これがアメリカや海外で寿司職人が独立する時の一般的なロールモデルです。

このような説明をしていただきながら私には疑問が常にありました。

パートナーは必要なのか?投資家は必要なのか?

彼らへの配分が無ければ5000万円により近づけるのでは?

そもそも寿司屋においてビジネスの根幹を担っている寿司職人が、
ほぼ店にもいない人と利益を分けなければいけないというのはなぜか?
お金しか出していない人に店が存続する限り上納し続けなければいけないのはなぜか?

素直に解せないことだらけでした。

これはその当時まだ疑問の域でしたが、すぐに答えに辿り着けました。

必要ない

寿司職人の世界には良くも悪くも先輩を敬う文化があります。
先輩に言われたことは絶対であり、その助言はありがたく受け入れます。

しかし、時には自分で考えて行動した方が良い時もあるということです。

お金の面を考えた時に

パートナーはいらない、投資家もいらない

というのが私の答えです。

またお金以外のことを考えても、いない方がいいです。

学ぶこと、勉強することは山ほどある

財務や法律関係は勉強しなければいけません。
税金の仕組みも勉強しなければいけません。
その覚悟が無いとやっていけません。

良い会計士に仕事を依頼するということが大切です。
いろいろと教えてくれます。

何か法律的に疑問がある時はその都度お金を払って弁護士に相談します。
そうやって最低限に必要なビジネススキルを身につけていく努力が大切です。

そこを人任せにしてしまうと無知が故に騙されたりチャンスを逸したりするということが出てきます。

また飲食店経営に関わる全てのお金の管理をすることで経営者としてのマインドを学ぶことがてきます。

1人で起業して負けない戦いをしながらビジネススキルを身につけていくことが大事です。

寿司のスキルと同じで一朝一夕で身につくものでは無いです。

包丁で指を切るような痛い思いもしながら着実に進んでいく以外に道は無いです。

レベルを上げて新たなビジネスチャンスをつかむ

経営者としてのレベルが上がれば新たなビジネスチャンスを掴む機会も訪れます。

交渉の場であなたが1人でやってきた経験が役に立つでしょう。

誰かに聞かないと分からないなという人は信用されません

ここ大事です!!!

実績を積んでから本当に自分に足りない部分を補うパートナーと組んでスケールアップしていく、または出資してもらうというのは有りです。

寿司職人のスモールスタートの具体例を挙げます

  • 個人宅への出張おまかせ
  • デリバリーサービス
  • フードホール
  • 店舗内のスペースを間借りする

それぞれ解説します。

個人宅への出張おまかせ

寿司は大掛かりなキッチン設備が必要ありません。
出張ケータリングに適していると言えます。

私の住んでいるマイアミで需要の高いボートでのサービスも可能です。

私は独立する前、出張おまかせを頻繁に依頼してくれる自分のお客様を何組も抱えていたのでこの方法でまずは独立を考えていました。

様々なレンタルキッチンを見に行き厳選し、必要な行政手続きを済ませて準備を着実に進めていました。しかし、フードホール業態に出会いそちらに直前でシフトチェンジした経緯があります。

おそらく出張おまかせでもある程度成功できたと思います。
初期費用としてはレンタルキッチンの使用量やビジネスの登録料、保険、器や道具などがありますが出資してもらうほどのお金は必要ありません。

注意点として始める段階で数十組の太いお客様を抱えているというのがとても大事です。

良いサービスをすれば口コミですぐに広がっていきます(出張寿司はインスタであげたい人も多いので拡散しやすいです)、しかし何もコネが無い状態からするのは少しギャンブルです。

デリバリーサービス

ウーバーイーツをはじめ、アメリカにも様々なフードデリバリーサービスがあります。
これはレンタルキッチンでも可能なので、出張おまかせと合わせてやることも可能です。

手数料は高いですが、出張サービスよりもより多くの人にリーチアウトできメッセージを入れるなどして出張おまかせに集客することも可能です。

懸念的には寿司はそもそもデリバリーにあまり向いていない面もあるということです。

生魚を使うのでシャリも魚も冷やさなければ使えません。美味しいとされる人肌の温度での提供は難しく、ネタも限られてきます。また第三者を介すのでどのような状態でお客様に届くのかという不安はあります。

フードホール

紆余曲折を経て私が最初に選んだ業態です。



いろいろなフードホールを比べましたがディールは様々です。
売り上げのパーセンテージを取るところが大半です。

10〜35%くらいです。

毎日、ミニマムのチャージがあるところも多いです。

冷蔵庫や調理器具などは揃っていることが多いです。

しかし出店時に出店フィーやデポジットを取るところもあります。

またアルコールは提供できないところがほとんどです。

なぜなら飲食店で1番うま味のあるアルコールサービスをフードホール業態のオーナーが直営でやっているパターンが多いからです。

コスト管理の難しいフードのみをそれぞれの店舗に任せて管理がしやすく利益が出やすいアルコールのみ自分達で運営する。

さらに各店舗の売り上げからパーセンテージを取るという低リスクのおいしいビジネスモデルです。

その代わり、店舗はイニシャルコストが少なく価格帯やニーズを間違えなければある程度集客も見込めるので持ちつ持たれつです。

売り上げを上げられる店は数年で実績を作り出ていきます。

対面でゲストにリーチアウトでき認知を広めていくことができますし、管理のしやすさもあり、良いスモールスタートモデルだと思います。


出張のおまかせケータリングも良いスタートモデルですが、毎回違う環境で仕事をするというのは大変です。

たまになら気分転換にもなりますが、

ずっと続けるにはかなりハードなので、個人的にはこれをメインにというのは考えない方が良いと思います。

店舗内のスペースを間借りする

個人経営のレストランなどでは店舗の一角をポップアップ用に貸し出しているところもあります。

募集している数自体は少ないので、自らのコネや足を使ってレストランを調査していいスペースを探し、オーナーと仲良くなり交渉するという気力も必要です。

その場合にはお互いゼロからの交渉になるので少し難易度が高いですが、関係性があれば好条件で営業させてもらえる可能性もあります。

ちなみに以前の記事で少し紹介した私の知人はハワイでこのスタイルで開業して認知を広めた後、自分の店を作る準備に入っています。

キッチンカーはスモールスタートの部類にはいる?

ここに挙げた以外にもお金をかけずに1人(もしくは少人数)で始められるスモールスタートモデルはあると思います。

数ヶ月前に、アメリカで開業準備中の寿司職人の方から相談を受けたことがあります。
その方はキッチンカーでの開業を考えていました。

私の考えでは、キッチンカーへの初期投資があるのでスモールスタートの部類にはギリギリ入らないかなという印象です。

しかし、話題になりやすくシェフとしてそのエリアで認知がある状態からのスタートなら有りだと思います。

ちなみにその方は、それ以外にも私が思い付かないような面白いビジネスアイデアをお待ちでした。

これからその方が取り組むかもしれないのでここで紹介するのは控えます。

まずはスタート、走りながら方向転換していく

それぞれのスモールスタートモデルにメリットとデメリットがあります。

自分のライフスタイルやその後のビジョンにどう繋がっていくかを考えて選ぶことが大事です。

しかし、実際にはやってみないと分からないよね?という部分が大半です。

なのでピボットしやすい状況にすることが大事です。
そのためのスモールスタートでもあります。

お金をかけずに1人で始めたら、何か違ったなと思っても方向転換しやすいです。

キッチンカーの場合レンタルならいいですが、買ってしまった場合にはなかなかピボットしずらくなります。

最後に補足します

レストランの開業において、

パートナーと組んで投資家に出資してもらうというのは王道

自分の苦手分野をパートナーに任せて自分の得意な料理に集中したいというのは何も間違っていません。

思いが強い人ほどこだわりがありお金をかけていいレストランを作りたいと思うものです。

確固たるビジョンのもと大きな、素晴らしいレストランをいきなり大成功させてる先輩方もたくさんいます。

大切なことは自分の頭で考えるということです。

このブログで何度も言っていることですが、

自分とは?

自分の強み、または弱い部分をよく理解することが大事
※周りの人に聞いてみるのもいいでしょう

オレの人間としての強みってなんだと思う?
料理人、寿司職人として他の人より何が秀でていると思う?

もちろん、自分がやりたいことや叶えたい願望も無視してはいけません。
家族がいる人は家族の将来やライフスタイルも同時に考えなければいけません。

アドバイスや先輩の意見を聞くことはすごく大事ですが、自分の頭でもしっかり考えてください。

その上で勇気を持って行動してください。努力してもうまくいかないことも多いです。これでダメならあの手この手で諦めずにしぶとくもがいてください。

結局はこのしぶとさが1番大事だと思っています。

しかし、もう一度言いますが

大金を注ぎ込んでしまったり、大風呂敷を広げてしまうとあの手この手をする余力が無くなります。

最初はできるだけ負けない戦いをしつつ勝つために粘り続けることを考えてください。

なんか、スケール小さいこと言ってるなとがっかりされた方もいるかと思います。
いつか大きいことを成すために必要なプロセスです。

より多くの人の夢への最初の一歩を踏み出す力になれればと思っています。

何か、ご意見ご質問あればお問い合わせからご連絡ください。