これから寿司を始めようとする人からこんな相談を受けたことがあります。
結論
学校をお勧めします
今回は学校行くメリットを中心に寿司職人の「初めの一歩」を解説していきます。
モチベーションはユルユル、目標は不明瞭でもOK
この段階の人はまだ見えている世界がぼやっとしていると思います。
漠然と寿司職人になって海外で活躍したい!程度かと。
まずはそれでいいです。問題ありません。
動くことで見える世界はどんどんクリアに
寿司の世界に入りいろいろな人と交流し、
学び、新しい自分と向き合うことで
見える世界の解像度が上がっていくと思います。
そこから将来どうなりたいか?を明確にしていく。
で良いでしょう。
そしてそのために何をするべきかが自ずと分かってきたら
どんどん楽しくなってくると思います。
最初からバチっと目標設定とかはかなり難易度が高いです。
知らない世界に入るだけでも勇気がいることです。
まずは行動に移せた自分を褒めてあげてください。
その上でこれから寿司の世界に入りたい人に私からおすすめするのは
寿司学校で一通り学んで、現場で仕上げる
です。
学校へ行く
学校へ行くメリットとデメリットを挙げて解説していきます。
- 寿司の世界に入りやすい
- まんべんなく基礎を学べる
- スキル、知識を身につけることに集中できる
- 切磋琢磨できる同期の仲間ができる
- 卒業生とのコネクション
- 寿司屋とのコネクション(求人情報を得やすい)
- お金がかかる
私が思うに学校にまず行くデメリットはお金がかかる以外に無いんですね。
学校へ行かず現場から始める
現場から始める場合にはどうでしょう?
お金を稼ぎながら現場で学べるので一石二鳥と思っている人がいるならそれは間違いです。
お店は営業しています。営業というのは利益を生むためのものです。
指導することにフォーカスしていないんですね。
もし予備知識がほとんど無い人が現場に入ったとして店主や先輩がその人に何をやらせるかと言うと
誰にでもできる雑用です。
そしてなかなかここから抜け出せないんですね。
正直に言って
からです。
もちろん、若手の育成や後輩の指導というのは店主や先輩の仕事の内の1つであり
店が繁栄していくためには大事なことです。
余程ひどい店でない限り教えてくれないということはないでしょう。
しかし、
多く見積もっても日々の仕事の中の1割にも満たないでしょう。
暇な店だったら暇つぶしに先輩がずっと付きっきりで教えてくれることもあるかもしれませんが、そのような店で働くべきでは無いです。
暇を持て余している人がいるというのはいい経営状態では無いですし、その歪みは必ずどこかに出ています。
その点を学校で考えると、費やす時間の10割を基礎作りとスキルアップに使えるんですね。
当たり前ですが学校は教えることにフォーカスしているのでいくらでも質問もでき
初期の些細な疑問も解決しやすいです。
性格にもよりますが、現場では先輩にはなかなか質問し辛かったりすることも学校の講師になら聞けるということもあると思います。
基礎があるということが必ず現場で生きてきます。
例えば、鯖の仕込みの基礎が備わっていた場合
- 魚を下ろす
- 塩をする
- 洗って酢に漬ける
下ろした後に塩をするということを知っていたら先回って塩の準備ができるんです。
その後に洗って酢に漬けるということを知っていたらその行程を予測をしながら追えるんですね。
この店はこういった工夫をしているのかという理解もでき、成長速度が速いんです。
基礎が無い場合には全て先輩から言われたままに動くコマ使いになってしまいます。
鯖の仕込みに例えましたがこれは全てに表れます。
また忙しい時には、こいつは仕事分かってるからこっから先の仕込みは任せようかなという流れになりやすいです。
そこでうまくこなせば信用され、どんどんとやれることが増えていきます。
基礎の無い人には、忙しい時にも先輩が仕込みを任せるという発想にはならないですよね?とりあえず雑用をやらせとけとなり、そこからなかなか進まないんです。
結果的に学校に通うことで成長速度を速めることができ必要とする修行期間の短縮に繋がると思います。
現場から始めるよりステップアップしやすくなり給料も上がっていくことを考えると学校の授業料はよい投資と考えられると思います。
YouTubeを見て独学
ここまでまず学校に通うメリットを書いてきましたが、表題にあるYouTube ?に触れたいと思います。
長い文章をここまで読んでいただきありがとうございます。
と思われた方、
成功する素質有りです
その通りです。
自律して勉強できる方はその方法でも良いと思います。
丁寧にわかりやすく動画を上げている方はたくさんいますし、
学校で学べる知識はネットから得ることもできます。
魚はスーパーや鮮魚店で買って練習すれば大丈夫です。
学校に通うよりも格段にコストを抑えることができるでしょう。
それでも、私が学校を勧める理由
その上で、成功する確率を上げるためにあえて言いたいです。
学校へ行った方がいいですよ
修行したい店が決まっている場合を除いて
私の知り合いに寿司職人になる前に何年もかけていろいろな店を食べ歩いて、その上でこの店で修行したいと決め10年修行して独立した人がいます。
辛い思いもされたと思いますが、突き進み今は東京で予約の取れない繁盛店になっています。
これが王道なんですが、とりあえず寿司職人になりたいという人達にとって1番難しいのは修行する店を決めることなんですね。
これが1番楽しいことではあるんですがライトな層にとってはここがネックなんです。
(冒頭でも言いましたが最初はぼやっとしていてもいいと私は思っています。)
修行する店を決めるために何年もの時間とお金をかけたくない、修行する店の具体的な情報が欲しいと思うのは当然です。
学校へ行くメリットとして、修行する店の情報を得やすいというのがあります。
卒業生が働いていたりでつながりがあったり、
講師や学校のスタッフに相談することもできます。
また寿司学校がメジャーになってきた昨今、有名店から求人の依頼が学校にきたりもしています。
同期と話していく中で自分が目指すところの解像度も上がっていき、
店選び、進路も定まってくると思います。
まとめ
一昔前までは小僧で寿司の世界に入り、飯炊き3年握り8年などと言われました。
敷居の高い世界だった寿司職人になるという選択肢が寿司学校の存在で身近になってきましたね。
私が寿司学校に通った10年前は「寿司学校出身だ」と言うと少し小馬鹿にされる風潮がありました。
寿司学校出のやつは高級店では通用しないとも言われました。
しかし今では学校で学ぶことが1つの常識になりつつあることに
学校関係者や卒業生の奮闘が窺い知れると思います。
お笑い芸人が徒弟制度から養成所にシフトしていったのと同じ現象かもしれませんね。
時代の変化に対応できる人が生き残れる人だと思います。
次の10年でどう寿司の世界が変化していくのか楽しみです。
寿司職人の第一歩として、学校で学ぶことのメリットを解説してきました。
いかがでしたでしょうか。
この記事があなたの参考になれば幸いです。